2018-06-10

    片岡義男と村上春樹、いとうせいこう

    ■最近、本格的に片岡義男の小説を再読し始めた。
     思えば大学生だった頃からだったと思うが、僕は片岡義男の小説を読みまくっていた。きっかけは氏が訳した「ビートルズ詩集」だ。僕は小学生高学年の頃からビートルズを聴いていたのだけれど、歌詞の意味が全然わからなかった。単に音楽と英語で綴られる歌を適当に自分が感じたままに聴いているというものだった。中学生になった頃に同じようにビートルズを聴いていた友人からその本を勧められて購入した。中身は何てことのない詩集だったのだけれど、レコードの歌詞カードとその詩集にある訳詞を見ながら僕はよくビートルズを聴き、「へぇ~、そういう歌だったんだ」とか「何のこっちゃよくわからん」などと思ったりし、そしてよく口ずさんだものだった。
     大学生になった頃、学内の生協の本売り場に見たことがある名前の作家の文庫本が所狭しと並べられていた。その名前は「片岡義男」で、前述した「ビートルズ詩集」を訳詞した作家の小説本だった。その時僕がどの小説本を手にしたのか残念ながら忘れてしまったが、僕はその内の一冊の文庫本を買って読んだ。それがその後20代の半ば頃まで続いた。
     いったい何冊の片岡義男の小説を読んだだろうか。たぶん少なくても数十冊はあっただろうと思うが悲しいことに僕ははっきりと覚えていない。現物も実家に置いていたのだけれど、それらは実家を建て直した際に他の本と共にすべて処分してしまった。今もどうしてあんなことをしてしまったのか、本当にもったいないことをしてしまったと後悔している。
     20代の半ば頃だったか、僕は一時期強烈に村上春樹の本を読み漁っていたのだけれど、今にして思うのは、僕が村上春樹を読み始めたのは、おそらく村上春樹の文体が片岡義男のそれに似ていたからだ。個人的な思いだが、片岡義男の小説に極端な「喪失」というテーマと回りくどいメタファーを随所に加えれば、おそらく村上春樹の小説になるように思える。
     村上春樹の小説はデビュー作である「風の歌を聴け」から「ノルウェイの森」に至るまで短編長編共に、更にはエッセイや安西水丸さんとの本も含め、ほとんどの作品を読んだ。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」なんて、当時値段が馬鹿高かったハードカバー版(もちろん初版)を買ってまで読んだものだった。今の僕では絶対にあり得ない行為である。だが僕は「ノルウェイの森」を最後に、その後は村上春樹の小説は一切読んでいない。所蔵していた本も諸事情からそのほとんどを古本屋に売り払った。今も新作が出てもまったく興味がない。村上春樹のことを悪く言うつもりは毛頭ないが、僕は村上春樹のあの「喪失」の世界にウンザリしてしまったからだ。
     その点、片岡義男の小説は違う。今でも(買いはしないものの)本屋で氏の本を立ち読みしたりすると、その世界にあっという間に引きずり込まれる。そこには色々なテーマがあって、もちろん「喪失」を感じさせるものもあるのだけれど、それが際立ったりしていない。

     今僕が読み返しているのは「彼のオートバイ、彼女の島」という小説だ。
     片岡義男の小説は、今積極的に電子化されている。もちろんタダではないのだが、この小説は青空文庫にて無償提供されているのだ。それを僕は最近知り、数日前から本格的に読み返しているのだけれど、そのきっかけは片岡義男の最新作である「珈琲が呼ぶ」という本を読みたいと思ったことだった。僕は片岡義男のツィッターのフォローをしているのだけれど、そこで度々「珈琲が呼ぶ」という本のことが色々なフォロワーによって言及されていて、僕も当然ながら興味を持ったのだ。それで書店に行って探したものの、残念ながら片岡義男は今の売れっ子作家の枠には入っていないからか、その本は一冊も置いていなかった。家人のパート先である書店にも在庫は一冊もないらしい。そもそも仮に在庫があったとしても単行本であるからして、今の僕の、潤沢には程遠い小遣い事情を考えると、おいそれと簡単には購入できない。大昔の独身時代であったら躊躇することなく買うだろうが、今はそういうわけにはいかないのである。
     そんなこんなで前述した青空文庫にあった「彼のオートバイ、彼女の島」という小説を読み返すことになった。だが「読み返す」と言っても、四半世紀ぶりくらいだから、その詳細はほとんど忘れてしまっている。だから今となっては事実上「初読み」に近い。
     この小説は題名にもあるようにオートバイに関する描写が多々登場する。元バイク乗りであった僕にとっては、これもたまらない魅力だ。読み進むにつれ、ツーリングに行きたいという思いを持つことを禁じ得なくなる。ラストはいったいどんなだっただろうかと、それを思い出そうとしながら僕は今、ゆっくりとこの小説を読んでいる。

     ちなみにどうせだから過去に書いたオートバイに関するエッセイをいくつかここに再掲載しようと思う。おいおいだけどね。


    ■最近、唯一定期的に見ているテレビドラマがある。
     NHKで土曜の夜に放映されている「植物男子ベランダー BOTANICAL LIFE OF VERANDAR」というドラマだ。原作はいとうせいこうの「自己流園芸ベランダ派」、「ボタニカル・ライフ」という本らしい。「らしい」というのは僕は原作を読んでいないからよく知らないのだ。そして僕は植物にはあまり興味がない。猫の額ほどの庭に家庭菜園と称して枝豆とミニトマトとキュウリを作っているくらいで、玄関前に植えている花の類は家人が世話している。僕はその周りの雑草を抜くくらいであって「花」にはほとんど興味がない。食べられる実というものをつけてくれるのであれば少しは興味を持つが単なる花だけなら興味はあまり湧かない。
     そんな僕が毎週、植物に大して切磋琢磨している内容のドラマを観続けているのは、けっこう不思議なことだ。おそらく話の内容よりもドラマの進行形式みたいなものを心地よく感じているのだろう。考えてみると「孤独のグルメ」や「深夜食堂」と似ているような気が大いにする。たぶん興味が湧かない人には観ていても全面白くないだろう。例えば家人なんかはほとんど興味を持っていなくて、偶々まだ起きていて僕がそれを観ていたから何となく観たという程度だ。だからそんなに話題にはなっていないようだが、世間には僕みたいな人間がやはり多いのだろう、こういうのが好きな人にはたまらないのか、ネットではまあまあ人気があるように言及されている。
     このドラマは結構前からやっていたようだが、以前はBSの方で放送されていたからか僕は最近までまったく知らなかった。偶々その時間に起きていて、偶々チャンネルをNHKにしたら、偶々このドラマがやっていたから何となく観ていたらけっこう面白かったのである。まあ、これもある種の未知との遭遇かしらね。
     とりあえずこの度のシーズンが終わるまで観続けるつもりだ。


    ■俺は現役のシステムエンジニア兼プログラマー。

     今日も顧客がシステムを改修しろと言ってくる。

     俺は顧客の言うことを聞いて、触りたくもないシステムの扉を開く。

     生活のため、生きていくために改修する。

     俺は現役のシステムエンジニア兼プログラマー。

     50代半ばのエンジニア。


    ■今日はこれから家人と二人で家人の実家に行く。娘もやってくるらしい。娘に会うのは一ヵ月ぶりか。
     義父がお昼に焼肉をご馳走してくれるらしい。
     また体重が増えそうだ。




    ■追記 18:00

     先ほど義父宅から戻ってきた。
     義父宅には娘もやってきた。
     義父、義姉、家人、娘、そして僕の5人で焼肉を食べに行った。
     うまかった。
     お義父さん、本当にご馳走様でした。

     夕方になり帰路に就いた。娘を送った後、僕らも自宅に着いた。

     今18時だ。
     今夜の晩飯がは「お茶漬け」だ。昼に焼肉をしっかり頂いたので夜はこれで十分だ。いや、食べようと思えば食べれると思うが、夜もしっかり食べたら間違いなく食べ過ぎである。だから自制するということも含め、「お茶漬け」なのである。

    ■前述しているが、明日からバイクに関する過去のエッセイみたいなものを再掲載するつもりだ。一日一話ペースのつもりだが事情によってはアップしたりしなかったりするかも知れないので頭の片隅に置いておく程度でご周知して頂ければ幸い。



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    genre : 小説・文学

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    いくたしば いたる 
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