2019-01-20

    何か高揚感にも似たもの


    2019年01月20日(日)
    何か高揚感にも似たもの



    ■昨日のことを書き残す。別に大したことが起こったわけではないが、自分の精神状態のようなものが、いつもとちょいと違っていたので一応書き残しておこうと思った次第。
     今年、いや昨年の12月に入った頃だっただろうか、何か自分を取り巻く目に見えない何かが変わりつつあるような感覚があった。(それはある現象が象徴的に僕に起こったことから来たようなのだが、それが何だったかは書き残さない。こういう場に公開したり人に話したりすると、途端にその魔法が解けてしまうことを僕はこれまで生きてきた人生を通して経験的に理解しているからだ。いったいどういうことなのか僕以外の人間にはまったくわからないだろうが、そういうことなので書かない。とりあえずは、そういうことがあって、それが年が変わってもまだ効力が続いているような感じだった。)そんなこの頃の中、僕は昨日の昼過ぎ辺りから、当日の午前中に録画していた「まんぷく」という、今NHKで放送されている朝の連ドラの当週分を一気観した。
     (「まんぷく」というドラマのことに関しては後で書くことにして)録画していたものをすべて観終えた頃、僕は自分の体の中に自分では解析しづらい、それは何か高揚感にも似たようなものが芽生えていることに気が付いた。
     いったいこの感覚は何なのか?
     しばらくの間色々な角度から切り込んで考えてみたのだけれど、最終的に行き着いた結論は、今から何かとんでもなく良い事に出くわすのではないか、つまり自分にとって何か人生を変えてしまいかねないほどの出会いのようなものが自分を待ち受けているのではないかというものだった。
     さてさて、これからいったい自分の身の上に何が起こるのであろうかと思い、この日の自分の予定を考えてみた。しかし、すぐに「今日の自分には特に出かける予定がない」という結論に達した。
     ならば何かが向こうからやって来るのか、と考えたが、そんな予定も、やっぱりない。そうなると先に自分が出した結論は完全なる的外れのものではないかと思った。
     いやいや必ずしもそうだとは限らない。衝撃的な出会いや出来事というものは、得てして自分の予測を遥かに超えたところに起こるものだ。増してや僕の予想など普段から何一つ現実にならない妄想レベルの思考だから、きっと自分の思考の範疇にそれを見つけることなど僕にはできないだろう。だからもう成り行きに任せることにした。

     その後、特にすることはなく、出かける予定もなかった僕は、前述した「何か高揚感にも似たもの」のことを気にしつつ、このまま家でボーッとしているのも何だかなあ、と思い、近所を散歩することにした。と言うのも諸々の事情で健康面に関して何かしらの対策を取ることを推奨されていたからだ。
     散歩は普段から休日は必ずワンコと共に朝と夕方の2回行っているのだけれど、ワンコが老犬化してきた最近は、あまり距離を長くすることができない状況であり、それは僕にとっては(僕自身も無理はできないものの)運動量的に少々もの足りないものであった。だからそれとは別に自分だけで歩こうと思った。ちょうどエレキギターの弦が切れてしまっていたから、20分ほど歩いた先にあるリサイクルショップに行って、それを買おうとも思った。そしてもし気に入ったものがあったら、かねてよりそのうち買おうと思っていたギターアンプをもついでに買ってもいいかな、と思った。
     早速僕は家人に散歩に行く旨を告げた。「ちょいと長く歩いてくる」とも添え、僕はいつもよりもシャツを一枚少なく着て出かけた。いつものような服装だと汗をかき過ぎて風邪を引いてしまいそうに思えた。この日は快晴で気温も例年よりも少々高めだったから、なおさらそう思った。
     僕はいつもの散歩よりも少々速い速度で歩き始めた。しかし長く続く下り坂だから、あまり速度を上げてはいけない。膝に余計に負担がかかるからだ。あくまでも無理をしない。これがこの歳のポンコツ体には大事なことなのである。
     20分ほど歩いた頃、僕は目的としていたリサイクルショップに到着した。ここに来るのは約2年振りだ。その際も確かギターの弦を買いにきたのだ。但しそれはエレキギター用ではなくてアコギ用だった。
     僕は中に入って階段を上がり、2階にある楽器コーナーへと向かった。お目当てのギターの弦はすぐに見つかった。買ってもいいかなと思っていたギターアンプも手頃のものがいくつかあった。もちろん中古品だが「Marshall」とか「MUSIC MAN」といったお馴染みのロゴを見ると、かつてロック小僧であった僕の目はやっぱりそれに釘付けになる。家電量販店に行って最新のPCを見て「うーん」と唸るのとは、やはりどこか何かが決定的に違う。いや、違うと言うよりも何かが絶対的に存在するのだ。PCを見ている際には決して存在しないもの。中古品であれ、それらには今も僕の魂を揺さぶる何かが宿っているのである。
     そしてそれは壁に吊り下げられているギターには更により強く宿っている。もちろんそれらも中古品ではあるが、有名メーカーのものであれ、無名メーカーのものであれ、ギターであれベースであれ、それらを眺める僕の心を鷲掴みだ。この時ばかりはいつの間にか僕は十代に戻ってしまう。憧れの楽器を目の前にして心ときめいた経験を持つ人なら間違いなく僕のこの際の気持ちを理解できるだろう。

     この時、僕は思った。もしかしたら、この中に「衝撃的な出会い」というものが隠れているのではないか、と。
     僕は吊り下げられているエレキギター、ベース、アコギを一本一本丁寧に観察した。もしこの中に一目惚れしてしまうようなものがあったとしたら買ってもいい、いや、買うべきだと思ったのだ。
     しかし結論を言うと、この中に手に入れようと思えたものはなかった。ギターアンプの中にも見つからなかった。それらは確かに僕の心をときめかせはしたが、その先にまで一緒に向かって行こうと思えるものは、残念ながらいなかった。そのおかげで僕の心はモヤモヤし始めた。「何か高揚感にも似たもの」だけが変に残った状態だったからだ。

     では何か他のものなのだろうか?
     そう思って僕は店内をあっちこっちウロウロした。自分が意識もしていなかったものの中に僕を待っている何かがいるような、そんな気がしたからだ。
     しかし、結局僕は何も見つけられなかった。いつもの「必死に探すけど何も見つからない」病が再発しただけだった。

     もしかしたら違う場所で違う何かが僕を待っているのかも知れない。
     そんな勝手な解釈で自分を抑え込み、僕はリサイクルショップを出た、そして目についたのは、よく行くパチンコ屋だった。
     僕はウンザリした。あんなところに衝撃的な出会いなんてないからだ。だが同時に思っても見なかったことが待ち受けているかも知れないとも思った。それは「特異なものは普段の中にこそ存在する」(イクタシバイタル持論)という考えの下の思考だ。
     僕は足をパチンコ屋に向けた。歩くことも今回の目的だったのだから向かうべきだと思った。
     店内に入り僕は中を見渡した。それはいつもとほぼ変わらないものだ。様々な音が交錯した騒々しいスペースの中に、多くの老若男女が必死に銀玉の行方を追いかけながら、眼前のディスプレイの中に同じ数字が3つ揃うことを祈っている。御多分に漏れず僕もよくその中に埋没する人間である。
     だが今回は違うのだ。僕は椅子に座っていつもの行為をする気持ちをまるで持ち合わせていなかった。探していたのは「何か高揚感にも似たもの」の対象に相応するもの。
     僕はまたまた店の中をウロウロした。時間にして20分くらいはそうしていたと思うが、例えばいくつものパチンコ台の中に直感的に「これだ!」と思えるものがあるかも知れないと思った。それこそ「俺のハートがYESと言う!」的な台。そんな台が目の中に入ったら僕は躊躇なく千円札を突っ込もうと思っていたのだ。
     しかしこれまた肩透かしをくらった。そんな台など一台としてなかった。それどころか当たりの雰囲気を醸し出している台すらなかったし実際に当たっている台も数えるくらいしかなかった。そう。パチンコに神秘的な偶発性など皆無。すべての台は例外なく人為的に操作されているのだ。その人為的な必然性に出くわしたとしても、それは決して僕が探していた「何か高揚感にも似たもの」の対象ではない。
     そうやって店内をウロウロしたあと、僕はそこを後にした。そしてそれから更に30分ほどあてもなくテクテクと歩き続け、何も探し出せずに自宅に戻った頃、「何か高揚感にも似たもの」は綺麗さっぱり消え失せていた。

     ただの「空騒ぎ」の類だったのだろうか。

     一日経った今も、どうにも納得できず、どこか違う場所で今も何かが僕のことを待ち続けているような、そんな気が今も少ししている僕がいる。


    ■今回こそ「まんぷく」のことを書くつもりでいたが、またもや次の機会とする。



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    いくたしば いたる 
    50代半ばのオッサン。
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    望んでいるのは結局穏やかな暮らしなのでしょう。

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